軽貨物の届出書はどこに何を出す?運輸支局に出す書類一式と記入例

届出書の提出先は運輸支局 黒ナンバー基礎

軽貨物の届出書を出す先は、営業所のある場所を受け持つ運輸支局です。そろえる書類は、貨物軽自動車運送事業経営届出書、運賃料金設定届出書、運賃料金表、事業用自動車等連絡書、車検証の写しの5点です。運賃料金設定届出書を一覧に挙げず、4点としている支局もあります。数も呼び方も、支局によって少しちがいます。

この記事は、黒ナンバーの取得(貨物軽自動車運送事業の届出)についてのものです。126cc以上のバイクを使う仕事も、同じ届出書を同じ窓口に出します。


届出書の提出先と管轄の運輸支局

届出書は、営業所の所在地を管轄する運輸支局に出します。つまり、その住所を受け持つ支局です。出す時期は、事業を始める前になります。

始める前に出すのは、法令でそう決まっているからです。貨物自動車運送事業法施行規則の第33条第1項は、経営の届出をしようとする者は、あらかじめ提出しなければならないと定めています。仕事を受け始めたい日から逆算して、窓口に行く日を決めてください。

営業所は自宅でもかまいません。支局の案内にも、自宅に営業所を置けると書かれています。1台で始める方なら、自宅の住所を受け持つ支局が行き先になります。

届出書を受け付けるのは、運輸支局の輸送の担当です。検査や登録の事務所では、届出書の受付をしていません。事業用自動車等連絡書を発行するのも、輸送の担当です。

自分の支局を探せるのは、運輸局のページです。府県ごとに、支局の名前と連絡先が並んでいます。窓口の場所と空いている時間も、そのページに出ています。

税務署に出す開業届は、これとは別の手続きです。出す先も様式もちがうので、分けて考えてください。開業届と経営届出を順番に並べた開業までの手順と、そろえるものは、別の記事にまとめています。

出す先が決まったら、次は書類をそろえる番です。


運輸支局に出す書類の一覧と部数

5点の書類は、届け出るなかみごとに役割が分かれています。4点は配られている様式に書き込み、残る1点は手元の車検証の写しです。

書類 何のための書類か 部数 どこで手に入るか
貨物軽自動車運送事業経営届出書 事業を始めることを届け出る 正本と控えの2部を求める支局が多い 窓口での配布と、支局のページ
運賃料金設定届出書 決めた運賃と料金を届け出る 2部を求める支局が多い。一覧に挙げていない支局もある 窓口での配布と、支局のページ
運賃料金表 距離や時間ごとの額を書いた別紙 2部を求める支局が多い 見本を参考に自分で作る
事業用自動車等連絡書 車を事業用にするための確認を受ける 1両につき1枚。2部を求める支局もある 窓口での配布と、支局のページ
車検証の写し 使う車をたしかめてもらう 1部。コピーで足りる 手元の車検証から用意

2部を出すと、1部は支局が受け取り、もう1部に受付印を押して返してもらえます。支局に残るほうが正本で、返ってくるほうが控えです。どれを2部にするかは、支局によって別です。4点とする支局、経営届出書と運賃料金表の2点とする支局、5点とする支局があります。点数を書かずに、計2部とだけ示している手引もあります。

控えは、事業をしていることの証明です。取引先や銀行から、控えを見せるよう言われることもあります。再発行はできません。受け取ったら、そのまま保管してください。

様式は、窓口で無料で配っています。手元で用意したいときの入手先は、支局のページです。経営届出書を画面で作れるフォームを置いている支局もあります。

事業用自動車等連絡書だけは、車1両につき1枚です。届け出る台数のぶんだけ用意します。運賃料金設定届出書と運賃料金表は、設定届出書を求める支局では2枚で1組になります。

4点としている支局の一覧には、運賃料金設定届出書の名前がありません。運賃料金表だけで足りるのか、設定届出書も要るのかは、窓口でたしかめてください。

軽自動車検査協会に出す書類は、この一覧には入りません。ナンバーの交付を受けるときに要るものは、別に用意します。

表のとおりにそろえたら、あとは1枚ずつ書き込む作業です。

運賃料金表とは?どこに出すか

運賃料金表は、距離や時間ごとの額を自分で決めて書く別紙です。設定届出書の額と適用方法の欄には「別紙のとおり」と書き、この表を付けます。

出す時期は、運賃と料金を定めてから30日以内です。貨物自動車運送事業報告規則の第2条の2が、そう定めています。経営届出書と同時に出してもかまいません。

条文では、出す先を主たる事務所の所在地を管轄する運輸監理部長または運輸支局長と書いています。自宅を営業所にして自分だけで始めるなら、主たる事務所も同じ住所です。出す窓口も同じになります。

使う様式は、決まっていません。参考の様式が配られていますが、自分で作った様式で出すこともできます。

運賃と料金の額は、自分で決めます。荷主、つまり荷物を出す取引先に対して不当とならないように定める、という案内があります。運ぶ相手がすでに決まっているなら、その相手と相談して決めてもかまいません。

車検証の写し

窓口に行く日までに、使う車を決めておきます。車検証の写しで、その車がたしかめられるからです。

写しは、窓口まで持って行きます。郵送で出すときは、同封します。

支局が見るのは、車両番号、車台番号、年式、用途種別、乗車人数、最大積載量などです。これらが誤りなく書かれているかどうかを見ています。

新車で車検証がまだ出ていないときは、完成検査終了証を使います。これは、新車の検査が終わったことを示す書面です。車台番号が分かる書面であれば足りる、という案内もあります。

電子車検証の方は、ICチップを読み取り、自動車検査証記録事項を印刷して持って行きます。自分で保管している車検証のデータを見せるだけでは、受け付けてもらえません。


貨物軽自動車運送事業経営届出書の書き方

経営届出書は、上の欄から順に埋めていきます。手が止まりやすいのは、車庫の欄です。

欄 何を書くか
宛先 出す先の名前。手引の様式では、運輸局の名前と運輸支局の名前の2か所が空欄
届出日 窓口に出す日
開始予定日 事業を始める日
氏名又は名称 個人は本人の氏名。通称名を使うなら、通称名の欄にも書く
代表者氏名 法人のときだけ書く
住所(主たる事務所の位置) 個人は本人の住所
電話番号 連絡のつく番号
営業所の名称及び位置 営業所の呼び名と住所。住所と同じならチェックだけ
事業用自動車の種別ごとの数 使う車の区分に、両数と人数を書く
自動車車庫の位置及び収容能力 車庫の住所と、車を置く場所の面積
休憩施設の位置及び収容能力 車庫の欄に準じて書く
運送約款 使う約款にレ点
運行管理体制 営業所の呼び名と、日常の運行管理の責任者の氏名
宣誓書 並んでいる項目をたしかめてレ点。宛先・日付・住所・氏名も書く

氏名の欄に書くのは、屋号ではなく本人の氏名です。○○運送のような屋号は、通称名の欄に入れます。住所については、住民票のとおりに書くよう案内している支局もあります。

営業所の呼び名は、本店といった書き方でさしつかえありません。位置が住所と同じなら、チェックを入れるだけで住所の記入を省けます。運行管理体制の欄に書く責任者も、自分で走るなら自分の氏名です。

事業用自動車の種別ごとの数は、区分ごとに欄が分かれています。黒ナンバーの軽バンで始めるなら、軽(普通)の欄に両数と人数を書きます。軽(普通)とは、霊柩と二輪を除いた軽自動車のことです。

自動車車庫の欄には、位置と収容能力を書きます。位置は車庫の住所で、住所と同じならチェックだけで足ります。収容能力の欄に入れるのは、車を置く場所の面積です。記載例では、営業所から車庫までの直線距離も書くよう説明しています。

車庫は、営業所に併設するのが原則です。併設できないときは、営業所からの距離が2キロメートルを超えないことが基準になります。広さの条件は、使う車が全部収容できることです。広さの案内は支局で分かれていて、1両あたり8平方メートル以上が必要と書いている支局と、目安として案内している支局があります。面積の数字を書いていない支局もあります。法令と通達に、面積の定めはありません。黒ナンバーで使っている間、警察への保管場所の届出がどう扱われるかは、私用で乗るときの決まりと、黄ナンバーとの違いで取り上げています。

休憩施設の欄は、車庫の欄に準じて書きます。自宅を休憩の場所にするなら、書くのは自宅の住所と面積です。

運送約款の欄は、標準の約款と同じものを使うなら、その約款にレ点を入れます。この場合、約款を別に付ける必要はありません。自分で作った約款を使うなら、その他運送約款にレ点を入れて、作った約款を添えます。

最後が宣誓書の欄です。宣誓書の側にも宛先の欄があり、届出書と同じ支局名を入れます。書き忘れると、内容が直るまで受け付けてもらえません。日付は届出日と同じにして、住所と氏名を書きます。

貨物軽自動車運送事業経営届出書の記入例。宛先から宣誓書までの欄に架空の値を書き込んだもの

記入例の氏名・住所・車の情報は、すべて架空のものです。

宣誓書まで書けたら、経営届出書は完成です。

車庫の使用権の示し方

車庫を借りている場合も、使う権利があることは宣誓書のチェックで示します。支局が挙げる書類の一覧に、賃貸借契約書や使用承諾書は入っていません。

借りているときは、賃貸借契約や使用承諾によって土地を使えることが確実である、という基準があります。窓口で契約書を見せるよう言われることがあるかは、支局の案内には書かれていません。気になるときは、出かける前に支局へ聞いてください。


運賃料金設定届出書と運賃料金表の書き方

設定届出書と運賃料金表では、書くなかみがちがいます。届け出る人となかみを書くのが設定届出書で、自分で決めた額を入れるのが運賃料金表です。

宛先の欄には、出す先の名前を書きます。見本の空欄は1か所ですが、運輸局の名前と運輸支局の名前の2つを入れている記載例もあります。届出日の欄に入れるのは、窓口に出す日です。氏名又は名称と住所も、上から順に書いていきます。法人なら、代表者名の欄も埋めます。事業の種別の欄は、貨物軽自動車運送事業です。

つぎに、設定した運賃及び料金を適用する運行系統又は地域の欄があります。ここに書くのは、運ぶ範囲です。様式によって形がちがい、選ぶものが並んでいて○で囲む様式もあれば、自分で書き込む様式もあります。

種類の欄に入れるのは、貸切運賃や引越運賃といった運賃の呼び名です。額と適用方法の欄の書き方は、「運賃料金表とは?どこに出すか」で見たとおりです。

実施年月日の欄には、その運賃を使い始める日を入れます。案内は2通りに分かれていて、経営届出と同時なら経営届出の日と書くものと、新しく経営届出をする場合は運送開始日と書くものがあります。出す支局のページの記載に合わせてください。

もう1枚の運賃料金表は、欄ごとに額を入れる作りです。

欄 何を入れるか
距離制運賃表 10kmまで、20kmまで、30kmまで、40kmまで、50kmまでの額。以後は5kmまでを増すごとの加算額
時間制運賃表 基礎額は4時間または40kmまでと、8時間または80kmまで。加算額は10kmまでを増すごとと、1時間までを増すごと
諸料金 積込料と取卸料、待機料、地区割増料
運賃割増率 品目割増、特大品割増、冬期割増、休日割増、深夜・早朝割増
消費税及び地方消費税の加算 運賃料金の総額にかける税率
運賃料金適用方法 運賃の計算のしかたや、割増が重なったときの扱い

地区割増料は、A地区とB地区という区分に分かれています。荷物を積む場所か届け先が、その区分にあたるときに加えます。深夜・早朝割増の時間帯は、午後10時から午前5時までです。

品目割増は、こわれやすい物や危険品など、運ぶ物の種類ごとに分かれています。特大品割増の対象は、1個の長さが荷台の長さにその長さの1割を加えたもの、重量100キログラムまたは容積1立方メートル以上のものです。使わない割増の欄は、空けたままでかまいません。

燃料などの価格が上がったり下がったりすると、かかる費用も動きます。その増減分を別建ての運賃として設定するのが燃料サーチャージです。別表が付いた見本もあります。

運賃料金設定届出書と運賃料金表の記入例。1枚目は届け出る人となかみを書く紙で、運ぶ範囲の欄は自由記入。2枚目は欄の名前だけを入れ、額を空けた運賃料金表

図の中の氏名と住所は架空です。運賃料金表は、欄の名前だけを入れて額は空けてあります。

2枚が書けたら、あとは車の書類です。


事業用自動車等連絡書の書き方

連絡書は、自分で書く欄と、書かない欄に分かれています。書かないのは、※の付いた欄です。

新しく届け出るときに書き込むのは、使用しようとする自動車の欄です。事業等の種別は、貨物の並びにある「軽」に○を付けます。

使用者の名称には、事業をする人の名前を入れます。個人なら本人の氏名で、住所も本人のものです。所属営業所名と使用の本拠の位置には、車を置く営業所の呼び名と住所を入れます。使用者の名称や住所と同じ場合の書き方は、「同左」または「左に同じ」です。

車の欄で見るものは、中古車と新車で別です。中古車は、車台番号と最大積載量を車検証で見ます。年式の欄に入れるのは、車検証の初度検査年月日の元号に○と、年だけです。新車は、型式を諸元表などで見て、年式の欄には登録する年度を書き、最大積載量はメーカーのカタログなどで見ます。種別の欄は「軽」です。

事案発生理由の欄には、「新規届出」に○を付けます。増車や代替の届出でも同じ様式を使うので、○を付ける場所をまちがえないでください。

※の付いた欄は、こちらでは書きません。発行番号、新自動車登録番号、登録完了印と登録官印、確認印と担当官印が、これにあたります。番号や印のための欄です。同じ枠にある発行日と有効期限には、※が付いていません。

窓口では、車の書類も見せます。中古車なら車検証などの原本か写しを、新車なら諸元表を出すよう、様式の注に書かれています。

連絡書そのものは、再発行されません。受け取ったら、なくさないように持っておきます。

事業用自動車等連絡書の記入例。青い文字が自分で書き込む欄、グレーの面は※の付いた支局が入れる欄、白いままの空欄は新規の届出では使わない欄

図の中の名前と番号は架空です。

これで、窓口に出す分の書き込みは終わりです。


届出の後に行く軽自動車検査協会と連絡書の期限

書いた内容に問題がなければ、連絡書はその場でもらえます。この記事で扱う黒ナンバーの車の場合、それを持って行く先は軽自動車検査協会です。

窓口での手続きは、5分から10分が目安とされています。連絡書は、輸送の担当の確認を受けてから次の窓口へ出す決まりです。軽自動車検査協会は、軽自動車の車検証とナンバープレートを扱う窓口です。運輸支局と同じ敷地にある場合もあります。場所は、行く前に調べておきます。

検査協会で要る書類や費用、かかる日数は、この記事では扱いません。

検査協会に持っていく書類と、ナンバーを替えるまでの流れ、取れるまでの日数は、黒ナンバーの取得方法で説明しています。

連絡書の有効期限は、もらった日から1か月です。この間に、次の窓口での手続きをすませます。やむを得ない理由で過ぎてしまったときは、連絡書を出した支局で延長の手続きを受けられます。ほかの支局でもらった連絡書について聞く先は、もらった支局です。

126cc以上のバイクで届け出た場合は、この記事で扱う黒ナンバーとは別の扱いになります。

届出のあとに続くのが、講習を受けた人を貨物軽自動車安全管理者に選ぶ手続きです。選び方と講習のなかみは、黒ナンバー開業で義務化された安全管理で書いています。

黒ナンバーの車は、検査協会での手続きが終われば車検証とナンバープレートを受け取れます。


届出の費用と代理・郵送での提出

届出そのものに、お金はかかりません。費用がかからないことは、支局の案内にはっきり書かれています。ただし、このあとの車検証とナンバープレートの交付には、別に費用がかかります。

ナンバープレートの代金は地域によって異なり、交付する団体の価格表の例を黒ナンバーの取得方法に載せています。

窓口へ持って行くのは、代理の人でもかまいません。委任状は不要と書いている支局があります。様式への記入は、原則として届け出る本人が行うと案内している支局もあります。頼むときは、書き終えた様式を渡す形です。

遠方の場合は、郵送を受け付けている支局もあります。同封するのは、書類一式と、住所を書いて切手を貼った返信用の封筒、それに連絡先を書いたメモです。

郵送の条件は支局によってちがい、郵送代金を全額負担することを条件にしている支局もあります。送ってから書類が戻るまで1週間から10日ほどかかると案内している支局もあります。日程には余裕を見ておきましょう。

書類に誤りや記入漏れがあると受け付けてもらえず、そのまま返されます。郵便の事故による遅れについては、責任を負いかねると断っている案内もあります。

控えを紛失したときの代わりが、証明願という手続きです。届け出ていることを証明してもらう形になります。詳しい進め方を知りたいときの窓口は、支局の輸送の担当です。


リースの車で届出を出すときの名義

車をリースで用意しても、経営届出は事業を始める本人の名義で出します。経営届出書の欄に、車の持ち主を書くところはありません。法人で始めるなら、名義は法人です。

代理の人に頼めることも、車検証の写しが要ることも、「届出の費用と代理・郵送での提出」と「運輸支局に出す書類の一覧と部数」で見たとおりです。自分で買った車で始める場合と、ここは変わりません。リースの月額や審査の有無は、月額の相場と、料金に含まれるものにまとめています。

ちなみにGOKUリースの場合は、車の登録を当社が行います。黒ナンバー登録済みの車両でお渡しします。貨物軽自動車運送事業の経営届出を出すのは、借りる方ご本人です。書類の記入と提出も、ご本人が行います。


まとめ

今日やることは1つです。自分の支局のページをひらいて、様式を手元に落としてください。同じページに、書類の一覧も出ています。

印刷まで終われば、今日の分は終わりです。書類を集めるのも、欄を埋めるのも、あしたからで間に合います。

様式が手元にあれば、あとは1枚ずつ書いていくだけです。書いた内容に問題がなければ、窓口に出したその日のうちに連絡書を受け取れます。連絡書が出れば、車の手続きに進めます。


出典


著者

中村 篤彦(なかむら あつひこ)/株式会社極 代表取締役/GOKUリース運営


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