軽貨物の車検と税金、黒ナンバーと黄ナンバーでどう変わる?

車検の間隔は黒も黄も同じ。変わるのは払う額 黒ナンバー基礎

軽貨物とは、荷物を運ぶ軽バンや軽トラックのことです。その車で荷物を届ける仕事を、軽貨物配送と呼びます。軽貨物を黒ナンバーにしても、車検の間隔は黄ナンバーのときと同じ2年です。初回も2回目以降も2年で、黒にしたから短くなることはありません。変わるのは払う額で、車検時に納める重量税と毎年の軽自動車税は、黄ナンバーより黒ナンバーが安くなります。

この記事が扱うのは、車検証の用途の欄が貨物になっている軽自動車です。乗用の軽や、緑ナンバーのトラック、126cc以上のバイクは別の扱いになります。


黒ナンバーと黄ナンバーの車検証の違い

黒ナンバーと黄ナンバーの違いは、車検証の「自家用・事業用の別」の欄で分かります。用途の欄は黒も黄も貨物のままで、変わるのは自家用か事業用かを書く欄です。

配送の仕事に使う軽貨物は、事業用と記載されます。軽自動車税の表にある「営業用」も、旅客自動車運送事業や貨物自動車運送事業に使う軽自動車のことです。呼び方は異なりますが、税の表でいう「営業用」と車検証でいう「事業用」は、同じ区分を指します。事業用軽自動車という呼び方も、同じ区分の車を指します。

ナンバープレートの色も、自家用と事業用で分かれます。自家用は黄色地に黒字、事業用は黒地に黄色字で、黒ナンバー・黄ナンバーという呼び方はプレートの色から来ています。仕事で使う車は、事業用の黒いプレートに変えることになります。

プレートの数字にも区別があります。用途が貨物の車は、分類番号に40〜49や400〜499といった数字が使われるのが一般的です。乗用の車では50〜59や500〜599が使われます。

任意保険で使う区分も、黒ナンバーは営業用です。保険料の目安と切り替えの手順は、黒ナンバーの任意保険にまとめています。

軽乗用車も黒ナンバーを付けられるようになりましたが、この記事が扱うのは用途が貨物の軽バンです。

車検証の用途と自家用・事業用の欄を抜き出した見本。用途は貨物、自家用・事業用の別は事業用で、分類番号と初度検査年月の位置もあわせて示したもの

この見本は、記事で見る欄だけを抜き出して当社が作ったものです。様式そのものではなく、値はすべて架空です。


車検と定期点検の間隔

車検の間隔は、車の区分で決まっています。用途が貨物の軽自動車は、初回が2年、2回目以降も2年です。黒ナンバーに変えても車の区分は軽自動車のままなので、車検の間隔も変わりません。

軽自動車と違って、車検が毎年になるのは普通や小型の貨物車です。車両総重量が8トン未満の車は2回目以降が1年、8トン以上は初回から1年になります。軽貨物は、普通と小型のどちらにも当てはまりません。

車の区分 車検(初回) 車検(2回目以降)
軽貨物(黒ナンバー) 2年 2年
軽貨物(黄ナンバー) 2年 2年
参考:普通・小型の貨物車(車両総重量8トン未満) 2年 1年
参考:普通・小型の貨物車(車両総重量8トン以上) 1年 1年

定期点検の間隔も、黒と黄で同じ1年ごとです。3か月ごとの点検の対象は、自動車運送事業の用に供する自動車と、車両総重量8トン以上の自家用自動車などになります。道路運送車両法は、同法でいう自動車運送事業から貨物軽自動車運送事業を除いています。軽貨物配送に使う車は自動車運送事業に入らないため、3か月ごとの点検の対象にはなりません。国の資料でも、1年ごとの点検の対象に軽貨物自動車が挙がっています。

点検と車検は別の決まりなので、車検を受けた年も1年ごとの点検は必要です。

点呼や業務の記録といった事業者の決まりは、この記事では扱いません。黒ナンバー開業で義務化された安全管理にまとめています。


車検の重量税・自賠責・検査手数料

車検のたびに払うおもな法定費用は、重量税、自賠責保険料、検査手数料の3つです。3つのうち黒と黄で差が出るのは、重量税だけです。

重量税は2年分をまとめて払います。初度検査年から13年を経過していない車で、黒は5,200円、黄は6,600円になります。

自賠責保険料は、黒も黄も同じ額です。軽自動車の料率表は「検査対象車」と「検査対象外車」の行しかなく、営業用と自家用に分かれていません。小型貨物自動車の行は営業用と自家用に分かれていて、軽自動車だけが分かれていません。額は2026年11月1日以降に始まる契約から上がります。

検査手数料も黒と黄で同じです。持ち込んで検査を受けると、1両につき2,500円(検査手数料2,100円と技術情報管理手数料400円)かかります。保安基準適合証を出す場合は、OSS申請を除くと2,100円、OSS申請なら1,850円です。

費目 黒ナンバー 黄ナンバー
重量税(2年分・13年を経過していない車) 5,200円 6,600円
自賠責保険料(24か月・2026年10月31日までに始まる契約) 17,540円 17,540円
自賠責保険料(24か月・2026年11月1日以降に始まる契約) 18,660円 18,660円
※自賠責は離島以外の地域(沖縄県を除く)の額
検査手数料(持ち込み) 2,500円 2,500円

自賠責は、車検証の有効期間の満了日より1日以上多い期間で入る決まりになっています。そのため24か月ではなく25か月で契約することがあり、額は18,040円、改定後は19,170円です。本文と表に挙げた自賠責保険料は、いずれも離島以外の地域(沖縄県を除く)の額です。

エコカー減税の対象になる車では、重量税が表の額より下がります。額は車ごとにちがうため、自分の車の額は次回自動車重量税額照会サービスで分かります。


黒ナンバーの自動車税(軽自動車税)の額

自動車税と呼ばれることが多い税ですが、軽自動車の場合は軽自動車税です。軽自動車税は、車の主たる定置場がある市町村から所有者に課税されます。

毎年4月1日時点の所有者に、その年度分が課されます。

法律が定める標準の額は、貨物用の軽自動車で、営業用が年3,800円、自家用が年5,000円です。黒ナンバーが営業用、黄ナンバーが自家用にあたります。

最初の新規検査の時期 黒ナンバー 黄ナンバー
平成27年4月1日以後 3,800円 5,000円
平成27年3月31日以前(13年を経過した車を除く) 3,000円 4,000円

表の1行目の額が、法律の示す標準です。2行目は、平成27年の改正より前に最初の新規検査を受けた車に残っている額で、13年を経過した車は2行目から外れます。市町村は標準より高い税率にできますが、標準の1.5倍を超えることはできません。住んでいる市町村の額は、市町村が公表している税率の表で分かります。

納期限は市町村の条例で定められ、原則として4月中に設定されます。ただし特別の事情があるときは、別の時期になることもあります。


黒ナンバーと黄ナンバーの2年間の差額

2年間に払う税を並べると、黒のほうが3,800円少なくなります。軽自動車税は毎年かかるので、2年分に直して足しました。重量税は車検1回分です。

費目 黒ナンバー 黄ナンバー 差
軽自動車税(2年分) 7,600円 10,000円 2,400円
重量税(2年分) 5,200円 6,600円 1,400円
税の合計 12,800円 16,600円 3,800円

前提は、平成27年4月1日以後に最初の新規検査を受けた車で、初度検査年から13年を経過しておらず、エコカー減税の対象でもない場合です。額は法律の標準のままで計算しました。自賠責保険料と検査手数料は黒も黄も同じなので、差には入りません。

差を月にならすと約158円です。比べたのは税だけで、任意保険や整備の費用は入っていません。

13年・18年を経過した車の税額

年式が古くなると、税は両方とも上がります。軽自動車税は、最初の新規検査から13年を経過した年の翌年度から、黒4,500円・黄6,000円になります。重量税は初度検査年から数えて、13年を経過すると黒5,400円・黄8,200円、18年を経過すると黒5,600円・黄8,800円です。なお、電気自動車、天然ガス自動車、メタノール自動車、ガソリンと電力を併用する車などは、軽自動車税の重課の対象から外れます。

年式の区分 軽自動車税(年・黒) 軽自動車税(年・黄) 重量税(2年分・黒) 重量税(2年分・黄)
13年を経過していない(平成27年4月1日以後に最初の新規検査) 3,800円 5,000円 5,200円 6,600円
13年を経過した 4,500円 6,000円 5,400円 8,200円
18年を経過した 4,500円 6,000円 5,600円 8,800円

軽自動車税は、13年を経過した後は同じ額が続きます。上がり方が大きいのは黒より黄で、13年を経過した車の2年間の差は5,800円です。

経過年数の起点となる表記は税目によって異なり、軽自動車税は最初の新規検査、重量税は初度検査年が基準です。いずれも、車検証の初度検査年月から読み取れます。中古の軽貨物を選ぶときは、年式によって税額が変わる点も見ておきます。


整備と部品の費用

車検で払う額には、税や手数料のほかに、車検基本料や整備費・部品代も加わります。基本料と整備費の決まり方は、黒でも黄でも同じです。ナンバーの色で整備の項目が変わることはありません。

車の状態によって、整備の項目と額が変わります。走った距離が長いほど、オイルやブレーキ、タイヤなどの交換が増えます。配送に使う軽貨物は距離が伸びやすいので、同じ年式でも交換の時期が早く来ます。

実際の費用は、車の状態と車検を依頼する事業者によって決まります。相場として出回っている額は、調べた時期が公開されていないものが多いので、この記事では挙げません。

自分の車でいくらかかるかは、車検証と走行距離を見せて見積もりを出してもらうと分かります。


車検を受ける場所と持ち物

車検は、継続検査という名前で軽自動車検査協会が受け付けます。窓口は黒と黄で分かれていません。協会が挙げている必要書類にも、黒ナンバーだけに要るものは入っていません。

おもな持ち物は次のものです。

軽自動車税の納税証明書は、納付の情報が軽自動車税納付確認システムに登録されていれば、提示を省略できます。納付の情報が登録されていない場合などは、納税証明書の提示が必要です。点検整備記録簿は、提示がないと、その旨が自動車検査証の備考欄に記録されます。

黄から黒に変えるときの手続きは、継続検査とは別です。変更の手続きは、運輸支局に出す書類一式と記入例で扱っています。


リースの車の車検と税金の負担

リースの車では、車検と税金を誰が払うかが契約で決まります。軽自動車税は車の所有者に課される税です。一般的なリース契約では、所有者がリース会社、使用者が契約者となり、納税通知書はリース会社に届きます。

契約書の、月額に含まれる費用を並べた欄と、車検や税の負担を書いた欄を読めば、自分が別に払うものが分かります。税金・自賠責・車検が月額に入るかを会社ごとに並べた表は、月額の相場と、料金に含まれるものにあります。

支払いが終わるまで売り主に所有権が残る割賦の売買では、買主が所有者の扱いです。リースとは扱いが変わるので、分けて考えます。

ちなみにGOKUリースの場合は、契約期間中の車検費用は当社の負担です。月額には、自賠責保険料(契約期間分)と重量税が含まれます。軽自動車税はお客様の負担です。

リースの車で届出を出すときの名義は、運輸支局に出す書類一式と記入例で触れています。


まとめ

まず、手元の車検証で「自家用・事業用の別」と「初度検査年月」を確認しましょう。初度検査年月からは、最初の新規検査の時期と、13年を経過しているかどうかが分かります。区分と年式がそろえば、次の車検で払う重量税と毎年の軽自動車税の額は、上の表から読み取れます。

整備費を含む正確な額は、車検の前に見積もりを取って確認してください。


出典


著者

中村 篤彦(なかむら あつひこ)/株式会社極 代表取締役/GOKUリース運営


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