黒ナンバーの取得方法|必要書類・費用・手続きの流れを解説

黒ナンバーは2か所で取れる。書類と車がそろえば同じ日に 黒ナンバー基礎

黒ナンバーを取得するには、運輸支局と軽自動車検査協会の2か所で手続きが必要です。

まず運輸支局に届出を行い、「事業用自動車等連絡書」を受け取ります。その後、軽自動車検査協会でナンバープレートを交換します。

運輸支局での手続きは許可制ではなく届出制のため、手数料はかかりません。必要なのは主にナンバープレート代で、大阪・東京・神戸では前後2枚で2,000〜2,200円です。

必要書類と車両の準備ができていれば、1日で取得することも可能です。

この記事では、黒ナンバーを取得するまでの流れや必要書類、費用、手続きにかかる日数を説明します。

黒ナンバーの意味や取得条件については「黒ナンバーとは」をご覧ください。

※この記事では、貨物用途の軽バンを黒ナンバーに変更する場合について説明しています。緑ナンバーのトラックや軽乗用車、126cc以上のバイクを使う場合の手続きは対象外です。


黒ナンバーを取得するまでの流れ

黒ナンバーの取得は、運輸支局での届出と、軽自動車検査協会でのナンバープレート交換という2つの手順で進めます。

最初に行うのは、運輸支局への「貨物軽自動車運送事業」の経営届出です。

経営届出書などの必要書類と、自分で記入した事業用自動車等連絡書(以下、連絡書)を提出します。届出が受理されると、確認済みの連絡書を受け取れます。

この連絡書を軽自動車検査協会に提出し、黄色のナンバープレートを黒ナンバーに交換します。

軽自動車で報酬を得て荷物を運ぶ仕事を始めるには、事前の届出が法律で義務付けられています(貨物自動車運送事業法 第36条、同法施行規則 第33条)。

運輸支局は事業の届出を受け付ける窓口、軽自動車検査協会は車検証やナンバープレートの手続きを行う窓口です。連絡書がなければナンバープレートを変更できないため、必ず運輸支局から手続きを始めます。

黒ナンバーを取るまでの流れの図。左から運輸支局、軽自動車検査協会、隣の窓口の順。運輸支局では経営届出書、運賃料金表、自分で記入した連絡書、車検証の写しを出し、発行された連絡書を受け取る。検査協会では車検証の原本、申請書、連絡書を出し、新しい車検証を受け取る。隣の窓口には手続きの前に外したナンバー前後2枚を返し、手続きの最後に新しいナンバーを買う

なお、届出制のため許可書は発行されません。

経営届出書を2部提出すると、1部は受付印が押された控えとして返却されます。

この控えは、貨物軽自動車運送事業を届け出ていることを示す書類です。荷主や金融機関から提出を求められる場合もあるため、大切に保管してください。控えは原則として再発行されません。

開業に必要な準備については「開業までの手順と、そろえるもの」、安全管理者の選任については「軽貨物配送の安全管理者とは?」で詳しく説明しています。


運輸支局に提出する書類と届出先

運輸支局では、経営届出書、運賃料金表、事業用自動車等連絡書、車検証の写しを提出します。

書類に不備がなければ、その場で連絡書を受け取れます。

届出先は、営業所の所在地を管轄する運輸支局です。提出先の確認方法については「運輸支局に出す書類一式と記入例」で紹介しています。

書類 部数 入手先
貨物軽自動車運送事業経営届出書 2部 運輸支局のWebサイト・窓口
運賃料金表 2部 運輸支局のWebサイト・窓口
事業用自動車等連絡書 1枚 運輸支局のWebサイト・窓口
車検証の写し 1部 手元の車検証をコピー

新車で車検証がまだ発行されていない場合は、完成検査証など、車台番号を確認できる書類を用意します。

電子車検証の場合は、車検証閲覧アプリから「自動車検査証記録事項」を印刷して持参してください。

必要な書類や部数は、運輸支局によって異なります。

例えば神奈川運輸支局では、運賃料金設定届出書を含めた5種類の書類が必要で、連絡書も2枚提出します。事前に管轄の運輸支局で必要書類を確認しておきましょう。

各種様式は運輸支局のWebサイトからダウンロードできるほか、窓口でも無料で入手できます。

窓口での手続き自体は、1件あたり5〜10分程度が目安です。ただし、混雑状況によって待ち時間が発生することがあります。

経営届出書は、国のオンライン行政手続きサービス「e-Gov」から提出することもできます。

ただし、連絡書はオンライン申請に対応していないため、窓口での手続きと書面の受け取りが必要です。

事業用自動車等連絡書の有効期限は1か月

連絡書の有効期限は、発行日から1か月です。

期限内に軽自動車検査協会での手続きを済ませてください。やむを得ない事情で期限が過ぎた場合は、連絡書を発行した運輸支局で延長手続きを行います。

延長手続きは、窓口への持参または郵送で行えます。

新しく車を購入する場合や納車待ちの場合は、納車予定日を確認してから届出の時期を決めるとよいでしょう。


軽自動車検査協会での手続きとナンバープレートの交付

運輸支局で連絡書を受け取ったら、軽自動車検査協会でナンバープレートを交換します。

現在使用している黄色ナンバーの軽バンを黒ナンバーに変更する場合は、次の書類とナンバープレートを用意してください。

必要なもの 注意点
車検証 原本が必要(コピー不可)
現在のナンバープレート 前後2枚を取り外して返納
自動車検査証変更記録申請書(軽第1号様式または軽第3号様式) 協会のWebサイトまたは窓口で入手
事業用自動車等連絡書 運輸支局で受け取ったもの
申請依頼書 本人以外が手続きする場合のみ必要

新車や中古車を購入する場合は、必要書類や手続きが異なります。詳しくは後述する「車の用意のしかたで変わる手続き」をご確認ください。

軽自動車検査協会での申請に印鑑は必要ありません。2021年1月4日から、申請書への押印と署名が不要になっています。

また、ナンバープレートだけを変更する場合、通常は住民票も必要ありません。

ただし、使用者や住所が変わる場合、新車の新規検査を受ける場合などには、住民票の写しなど住所を証明する書類が必要になることがあります。

車検証に記載された所有者が販売店やローン会社、リース会社になっている場合は、事前に所有者の同意を得ておきましょう。

当日の手続きは、次の順番で進めます。

  1. 現在のナンバープレートを前後2枚とも取り外し、協会に隣接する窓口へ返納する
  2. 必要書類を提出し、新しい車検証を受け取る
  3. ナンバープレートの交付窓口で黒ナンバーを購入し、車に取り付ける

ナンバープレートは自分で取り外し、取り付ける必要があります。

工具は用意されていないため、プラスドライバーや10mm・12mmのスパナなどを持参してください。

なお、黒ナンバーでは希望番号や字光式ナンバーを選べません。交付されるのは一連番号のナンバープレートで、事前予約は不要です。

軽自動車検査協会での申請は郵送に対応していません。本人が窓口へ行けない場合は、申請依頼書を用意すれば代理人による手続きも可能です。


黒ナンバーの取得にかかる費用

黒ナンバーの取得費用は、現在使用している軽バンのナンバープレートを変更するだけなら、主にナンバープレート代の2,000円前後です。

運輸支局への届出に手数料はかかりません。ほかに、軽自動車検査協会に隣接する関係団体での手続きの費用もかかります。

金額は地域によって異なります。

以下は、各地域の団体が公表している軽自動車用ナンバープレート(一連番号・ペイント式・前後2枚1組)の価格です。

地域 ナンバー代 出典
大阪・なにわ・和泉・堺 2,000円 大阪府自家用自動車連合協会
東京・埼玉・千葉・茨城・群馬・山梨 2,100円(消費税・取付金具込み) 関東陸運振興センター
神戸・姫路 2,200円 近畿陸運協会

ナンバープレートの価格は改定されることがあります。

例えば、近畿陸運協会では2025年5月1日に1,500円から2,200円へ変更されました。

正確な金額は、管轄する軽自動車検査協会に隣接する交付窓口や、各団体のWebサイトで確認してください。

なお、新車や、一時使用中止の手続きが済んでいる中古車を登録する場合は、新規検査が必要です。

その場合はナンバープレート代に加え、検査手数料が発生します。目安は新車が2,100〜2,800円、中古車が2,000〜2,800円です。

さらに、自動車重量税の納付も必要になります。

車両代や保険料など、開業に必要な費用を含めた総額については「黒ナンバー取得にかかる費用」をご覧ください。


黒ナンバーの取得にかかる日数と、1日で終えるための段取り

必要書類と車両がそろっていれば、黒ナンバーは最短1日で取得できます。

運輸支局で連絡書を受け取った後、その日のうちに軽自動車検査協会へ移動して手続きを進められるためです。

ただし、どちらも受付時間が決まっているので注意しましょう。

軽自動車検査協会の受付時間は、平日の8:45〜11:45、13:00〜16:00です。

運輸支局の受付時間は地域によって異なります。大阪運輸支局の場合は、平日の8:30〜12:00、13:00〜16:00です。

1日で手続きを終えたい場合は、午前中に運輸支局で届出を済ませ、午後に軽自動車検査協会でナンバープレートを交換する流れがおすすめです。

京都のように、運輸支局と軽自動車検査協会が同じ敷地内にある地域もあります。

一方、窓口が離れている地域では移動時間も考慮する必要があります。

書類の記入漏れや所有者の同意不足、工具の持参忘れなどがあると、当日中に手続きを終えられない可能性があります。

出発前に、必要書類と持ち物、両方の窓口の場所と受付時間を確認しておきましょう。

なお、運輸支局への届出を郵送で行う場合、書類が返送されるまで1週間〜10日程度かかります(大阪運輸支局の場合)。

新しく車を購入・リースする場合は、納車までの日数も考慮して予定を組んでください。


車の用意のしかたで変わる手続き

黒ナンバーの取得方法は、用意する車の状態や契約形態によって異なります。

現在使用している黄色ナンバーの軽バンを変更する場合は、ここまで説明した手順で進められます。

一方、新車や中古車を購入する場合、リース車両を利用する場合、すでに黒ナンバーが付いている車を譲り受ける場合などは、追加の書類や手続きが必要になることがあります。

車両の状態・契約形態 検査協会での手続き 必要書類・注意点
現在使用している黄色ナンバーの軽バン 番号変更 前述の書類を用意
新車 新規検査(新車) 完成検査終了証、譲渡証明書、住所を証する書類、自賠責保険証明書、自動車重量税納付書など
車検が残っている中古車 名義変更と同時に黒ナンバーへ変更 住所を証する書類が必要。名義変更の手数料は無料
リース・ローンの車 番号変更 車検証の使用者が本人であることを確認し、所有者の同意を得る
すでに黒ナンバーの車を譲り受ける場合 運輸支局への届出後、車検証の記載を変更 前使用者による減車届(1台だけの場合は廃止届)と、新使用者による経営届出(すでに事業をしている場合は増車届)が必要

中古車の名義変更など、複数の手続きを同時に行う場合は、必要な書類が変わることがあります。事前に管轄の軽自動車検査協会へ確認してください。

また、現在使用している黒ナンバーの車を別の車両に入れ替える場合は、運輸支局によって手続きの扱いが異なることがあります。車両を変更する前に確認しておきましょう。

GOKUリースを利用する場合

GOKUリースでは、黒ナンバー登録済みの車両をお渡ししています。

車両の登録手続きは当社が行い、納車時には車検証の写しもお渡しします。

ただし、貨物軽自動車運送事業の経営届出は、リースをご利用になる方ご本人が行う必要があります。

お渡しする車検証の写しを使って、管轄の運輸支局へ届け出てください。

黒ナンバーの軽バンに車庫証明は必要?

軽自動車は、普通車のような車庫証明の取得が必要ありません。

また、黒ナンバーで配送に使用する軽自動車は、警察への保管場所の届出も対象外です(自動車の保管場所の確保等に関する法律 第13条第1項)。

車庫や保管場所に関する詳しい説明は「黒ナンバーの車は普段使いできる?」で紹介しています。


まとめ|黒ナンバーは必要書類がそろえば1日で取得できる

黒ナンバーを取得するには、まず運輸支局で貨物軽自動車運送事業の届出を行い、事業用自動車等連絡書を受け取ります。

その連絡書を軽自動車検査協会へ提出し、ナンバープレートを交換すれば手続きは完了です。

現在使用している軽バンを変更するだけなら、主な費用はナンバープレート代の2,000円前後です。

手続きをスムーズに進めるために、次の点を確認しておきましょう。

書類に不備がなく、両方の窓口を受付時間内に回れれば、1日で取得することも可能です。

まずは営業所を管轄する運輸支局と軽自動車検査協会を確認し、必要書類をそろえるところから始めましょう。


出典


著者

中村 篤彦(なかむら あつひこ)/株式会社極 代表取締役/GOKUリース運営


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